浮世絵を買うなら【初摺】を選んだ方がいい。

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版画は比較的 量産が容易な芸術ではありますが、版は「木」のため完成品の品質も変化します。

浮世絵は、最初に摺られる200枚を「一杯」といいます。

最初の一杯〜二杯を初摺(初版、板下ろし、摺りっぱなし)と称し、版木の状態も良く、絵師と摺師のコミュニケーションも綿密に行われるので、作品の質がとても高く、最も珍重されます。

しかし、作品の評判が良いと、三杯…四杯…と摺り増しされるため、次第に版木も摩滅します。

版木の数が減らされたり、空摺(絵の具を付けずに凹凸だけつけること)で工程を省略されるなど、品質が低下していきます。

このような状態を後摺といいます。

刺青や髪の毛の毛彫がかなり潰れて、化学顔料などが目立っている作品が多いです。

なお、初版の版元(出版社やプロデューサー)が移行した場合、その多くは後摺となります。

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この記事を書いた人

化政文化研究家
某芸術大学 日本画専攻卒。日本人らしくありつつ、飾らないのに粋な江戸文化である『化政文化』に魅了され、その魅力を多くの人々に伝えたいと思ってブログを始めました。
普段はジャンルにこだわらず、インタビュー系の動画制作や、動画のテロップ入れなど、映像編集業務全般を担当しています。過去の動画制作数は1000本以上。

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