「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」に行ってきた話

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※この考察は、NHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜」のネタバレを含みます。

「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」
「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」の展示会場

現在、東京のすみだ北斎美術館で開催されている「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」(前期)に行ってきました!

ほくさいぬ

1フロアにわたって蔦重の人生やプロデュースした作品が紹介されていたぞ!

おーいぬ

とっても内容が濃かったので、行く価値アリよ!

世界で最も有名な日本人画家・葛飾北斎。

しかし彼は自分一人の力で有名になったのではありません。

商業的な出版物である浮世絵は、絵師だけでは成り立たず、企画から販売まで手掛けるプロデューサー(板元)、板木を彫摺する彫師と摺師が必要となります。

中でも世の流行を見極め、売れ行きの伸びる企画を立案し、絵師の起用から彫師・摺師の指揮までを担う板元は、いわば浮世絵師の総合プロデューサーにあたる重要な存在でした。

本展は、北斎の才能に早くから目をつけていた蔦屋重三郎をはじめとした板元たちが、北斎をどのようにプロデュースし、どのような作品を世に生み出したかを辿る展覧会です。

ほくさいぬ

さっそく感想を語っていくぞ!

⇩ちなみに、他にも大河ドラマべらぼうに関する記事を書いていますので、興味のある方はぜひ読んでいただけると嬉しいです⇩

目次

企画展情報

会期
2025年3月18日(火)~5月25日(日)
※前後期で一部展示替えを実施
前期:3月18日(火)~4月20日(日)
後期:4月22日(火)~5月25日(日)
開館時間9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日毎週月曜日
(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)
※開館:5月5日(月・祝)
 休館:5月7日(水)
会場3階企画展示室
主催墨田区・すみだ北斎美術館
公式WEBサイトhttps://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/exhibitions/view/4319

葛飾北斎をヒットさせたプロデューサーたち

葛飾北斎をヒットさせた浮世絵プロデューサーは蔦屋重三郎だけではありません。

一代目蔦屋重三郎の亡き後にその仕事を引き継いだ二代目蔦屋重三郎

「冨嶽三十六景」をヒットさせた西村屋与八

『北斎漫画』を出版した永楽屋東四郎といった江戸の板元たち…

などなど、まずは浮世絵業界を支えたプロデューサーたちをご紹介いたします!

ほくさいぬ

わしの絵を後世に残してくれてありがとう!

初代 蔦屋重三郎

【大河べらぼう】第1回「ありがた山の寒がらす」まとめ

2025年の大河ドラマ「べらぼう」の主役としても有名な初代・蔦屋重三郎。

蔦重が手がけた有名な絵師といえば、喜多川歌麿や東洲斎写楽が知られていますが、実は若き日の葛飾北斎も発掘しています。

おーいぬ

べらぼうで葛飾北斎を演じる役者さんはまだ発表されていないから、どんな人が演じるのかワクワクだね!

ほくさいぬ

わしの師匠になった勝川春章は前野朋哉さんが演じているぞい!

現実では蔦重と北斎との関係はそれほど深く有りません。

確認されている限りでは、2人の初仕事は1790年、北斎が31歳、蔦重が41歳の頃でした。

北斎は人気絵師・勝川春章のもとで春朗と名乗り、さまざまな絵を手がけていた時に出会いました。

蔦重は当時、役者絵の有望な描き手として北斎に注目していて、役者絵や「壬生狂言」「仁和嘉狂言」などの錦絵シリーズを出版しました。

おーいぬ

このお話は、映画「HOKUSAI」でよく描かれているわよ

ほくさいぬ

柳楽優弥さんが若き日のわしを演じてくれているから、ぜひ見てほしい!

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「冨嶽三十六景」をヒットさせた西村屋与八


【大河べらぼう】第5回「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」まとめ

西村屋は一代で江戸を代表する地本問屋になった地本問屋です。

ちなみに三代続いたそうです。

おーいぬ

べらぼうでは二代目の西村屋与八を西村まさ彦さんが演じているよ!

1750年代から錦絵を手がけ、鈴木春信などの有名な絵師ともつながりを持ち、蔦重と共に現代の「ファッションカタログ」の先駆けとなる吉原の女郎をモデルに呉服屋とタイアップした錦絵のシリーズ『雛形若菜初模様』を共に手がけました。

その後は、鳥居清長らの「美人画」を数多く手がけ、蔦重のライバルとして江戸の出版界を共にけん引していくことになりました。

Won file, based upon Kiyonaga’s woodcut print (1784)
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おーいぬ

ドラマ内で最初は仲悪い感じだったけど、後々ともに仕事をしたりするんだね。

葛飾北斎とともに仕事をしたのは三代目。

北斎の代表作「冨嶽三十六景」を世に排出したことで知られています。

この当時、庶民の間で山岳信仰が流行し、とりわけ富士山に注目が集まっている時代性を捉え、さらにベルリンで開発された発色のよい顔料「ベロリン藍」を用いたことによって富嶽三十六景は大ヒットした。

富嶽三十六景がヒットした背景には、西村屋の戦略が大きく関係しているのです。

『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』
『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』

名古屋を代表する永楽屋東四郎

北斎の代表作のひとつである『北斎漫画』を手がけた名古屋を代表する板元・永楽屋の二代目 永楽屋東四郎。

『北斎漫画』とは人物、動植物、風景など、さまざまな事物を描いた15冊の絵手本です。

その絵の総数は役4000図!

『北斎漫画』はロングセラーとなりました。

ほくさいぬ

会場では、本物そっくりの北斎漫画を実際に手に取って読むことができたよ!

おーいぬ

全部読もうとしたらキリがなかったよ〜泣

北斎の生前は12編まで制作され、没後には3編の続編が制作されました。

永楽屋は蔦重とも連携し、江戸にも店を構えていたそうですよ。

幕末を代表する板元・森屋治兵衛

森屋治兵衛は喜多川歌麿、歌川豊国、歌川国貞、歌川広重など人気絵師を多く担当しました。

しかし、お抱えの彫師に良工が少なく、“森治の悪彫り”と言われることも多かったそうです。

実際に比較してみると、その差は素人にもわかりますね。

https://www.metmuseum.org/art/collection/search/55739

それでも北斎の作品には良作が多く、「琉球八景」「千絵の海」「詩歌写真鏡」などが現代にも知られています。

ほくさいぬ

作品の評判はイマイチだったかもしれないけど、森治がプロデュースした作品の刷り終わった板木で作られた収納箱が展示されていてびっくりしたぞ!

おーいぬ

写真撮影は不可だったので、ぜひその目でご覧あれ!

ほくさいぬ

ここでしか見られないとっても貴重な資料だ!

感想:プロデューサー視点から北斎作品を鑑賞するのは新鮮

今回の企画展は、北斎をプロデュースした版元側を深掘りした展示。

大河ドラマ「べらぼう」がなければ、なかなか着目しないテーマですよね。

年表や作品が細やかにまとめられていて、とても見応えがありましたよ!

プロデューサーによって北斎の作品に違いがあるので、とても興味深いものがありました。

おーいぬ

この企画展で知ったんだけど、蔦重って二代目がいたのね。

ほくさいぬ

もしかしたら大河ドラマの中でも、二代目蔦重なんていう新キャストがサプライズで出てくるかも!

おーいぬ

それ、すっごい面白い展開ね!

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今後も、「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の情報や考察を発信していきますので、気になる方はぜひチェックしてくださると嬉しいです!

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ぜひ聞いてくださると嬉しいです。

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