※この考察は、NHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜」のネタバレを含みます。


蔦重と瀬川の恋愛模様もひと段落。
でも瀬川の去り際は切なかったなあ…



瀬川パートって大河というより少女漫画感あるわよね
放送されるたびに話題に上がった蔦重と瀬川の関係性。
第16話では瀬川が突然ゆくえをくらますという展開…。
何はともあれ二人の関係性はひと段落ということで、今回はこれまでの瀬川と演じる小芝風花さんについてしっかりまとめていこうと思います。
⇩ちなみに、今回のイベントに関する記事を他にも書いていますので、興味のある方はぜひ読んでいただけると嬉しいです⇩


べらぼうのヒロイン 瀬川とは?


吉原の老舗女郎屋・松葉屋を代表する花魁。
蔦重の幼馴染で、蔦重には密かに恋心を寄せていました。
五代目・瀬川を襲名したのちは、歴史に残る“名妓”として知られ、1400両(現在の価値で1億4000万円)で身請けされ、その後の悲運な人生が戯作などで語り継がれることとなる“伝説”の花魁でした。



松葉屋さんも実在したお店だったんだね!
実在した瀬川の悲惨な人生
彼女自身の生涯について、実は明確な記録はほとんど残っておらず、生没年すらも不明です。
わかっているのは、親に捨てられ吉原に来て大人気の花魁だったこと…程度です。
しかし、1775年に起きた身請け事件で一躍注目を浴びることとなりました。



身請け話を持ちかけた鳥山検校を演じるのは市原隼人さんだよ!
鳥山検校


盲目の坊主・鳥山検校(とりやまけんぎょう)。
この鳥山が、五代目瀬川を身請けした人物として有名です。
実際はお坊さんではなく、高利貸し屋。
つまり、今でいう「そこに愛はあるんか?」でお馴染みのア○フルさんみたいな存在ですね。
鳥山は、この高利貸し屋「当道座(とうどうざ)」の最高位に就いていた大富豪でした。



「検校」というのは名前ではなく、この組織の最高位の称号のことだよ
しかも当時、この盲人たちの組織は幕府公認の組織として、税金の免除や、琵琶・鍼灸・按摩などの営業権も独占できるというなかなか強力な組織でした。
その組織のトップの財力は言わずもがな…といったところでしょう。



しかも史実では鳥山と蔦重は幼馴染だったらしい…
五代目瀬川の身請け事件



…にしても、なんで「事件」なのかしら?
遊女における「身請け」は、厳しいしきたりのある吉原から出ることのできる唯一の方法。
多くの遊女たちがその生涯を門の中で終えていく中で、身請けされるのはほんの一握りでした。
鳥山が瀬川を身請けするために支払った金額は、現在の価値で1億4000万円。
この金額は身請け金としては破格であり、江戸中の一大ニュースになったそうです。
そんな遊女たちの夢でもあるかのような身請け話に、なぜ「事件」という物騒な言葉がついたのでしょうか?
それは、身請けの3年後に起こる出来事が問題だったのです。
実はこの鳥山、ただの高利貸しではなく、
悪名高いやり口で有名でした。
厳しい取り立てはエスカレートしていき、度の越えた借金の取り立てを行い、その強欲ぶりは次第に幕府に警戒されるようになっていきました。
最終的には江戸幕府から処罰され、鳥山は全財産没収、そして江戸追放という厳しい罰を受けることになったのです。



鳥山はともかく、瀬川はどうなっちゃったの…?
実は、その後の瀬川については明確な記録は残っていません。
鳥山が処罰される前後に、他の人物の妻になった…
あるいは武士の妻になった…大工の妻になった…
という噂話があるそうです。
ともかくこの特大センセーショナルなスキャンダルに江戸中が注目したので「身請け事件」と呼ばれることとなったのですね。



ちなみに花魁物語で不動の人気作品はコレ⇩よ!
瀬川の悲恋
「べらぼう」では、花の井改め瀬川が密かに蔦重に恋心を寄せる姿が切なくも可愛らしいと人気ですが、
実在した瀬川には、鳥山に身請けされる直前に恋慕う人物がいたとか…。
その人物はお客さんだったらしいですが、詳しいことは伝わっていません。
「契情買虎之巻」という書物では、瀬川と客の間に起こった悲恋が題材とされ、高い人気を獲得。
やがて、瀬川の人生エピソードは、洒落本や浄瑠璃、歌舞伎の題材として後世に語り継がれていきました。
小芝風花の略歴
小芝さんは、1997年大阪府堺市生まれの27歳(2025年1月現在)。
デビュー作は実写版「魔女の宅急便」だそうです。



えー!あの子がこんな艶っぽい女優になったの?!
2024年まではオスカープロモーション(米倉涼子さん、忽那汐里さん、剛力彩芽さんなど)に所属。
2025年からはトップコート(木村佳乃さん、杏さん、菅田将暉さんなど)に電撃移籍したそうです。
トップコートは、俳優の中でも“あそこに行きたい”という人が殺到していると言われている人気事務所らしいので、小芝さんにはこれまで以上に活躍することを期待したいですね!
「べらぼう見て頂戴スペシャル」での素顔
本編では凜とした花魁を演じ、SNSでは小芝さんの演技力に絶賛の声が上がっています!
では、普段はどんなお人柄なのでしょうか?
実は、めちゃくちゃ「可愛らしい天然ちゃん」って感じなんです!!!!
小芝風花さん(花魁・花の井)
風間俊介さん(鶴屋喜右衛門)
眞島秀和さん(将軍・徳川家治)
三人の出演者トーク内で、
小芝さんが初めて脚本を読んだ時、「歴史が苦手な自分でもできるかな…」と、オファーに関して不安だったことを赤裸々告白。



不安なんか微塵も感じさせない堂々とした演技だったけどね?!
その後、脚本を読み進めていくうちに、歴史が苦手でも楽しめるストーリーに惹き込まれてオファーを受けたそうです。
ご自身がこれまでに持っていた花魁のイメージと、実際に役を演じてみたギャップを語っていました。



…もしかして天才女優なのでは?
そうなんです。
そう思わせるほど、花の井と普段のギャップがあまりにも大きすぎて驚愕しました。
トークの途中まで「本当に花の井役か?!」と半信半疑で見ていたほどでした。
気になる方は、⇩「NHKオンデマンド」⇩で見ることができますので、ぜひチェックしてみてください!
べらぼうでの見せ場
見せ場①:蔦重のために亡き瀬川菊之丞に変身
第2話で、蔦重は吉原を立て直すための策を考えます。
江戸で人気の「漱石香」(そうせきこう)という歯磨き粉の宣伝文句をヒントに、年に2回発行される「吉原細見」の「序」の部分を平賀源内に書いてもらい話題性を上げようとしました。



「序」というのは、今でいう本の「帯」みたいな役割をはたしていたよ。
松葉屋に案内された平賀源内は、早速、花魁の「瀬川」を指名します。
しかし現在、瀬川の名を継ぐ者はいませんでした。
源内は男色であったため、蔦重をからかっていたのですね。
その後、序を書く条件として、蔦屋重三郎に花魁の格好をするように迫ります。
蔦重が覚悟を決めかけた瞬間、男装した花の井(後の瀬川)が現れたのです。


花の井は、源内が探している「瀬川」とは、花魁の「瀬川」ではなく、亡くなった歌舞伎の女形「瀬川菊之丞」(せがわきくのじょう)だと察し、瀬川菊之丞を彷彿とさせる男装をして、源内と一夜を過ごそうと考えたのです。



むかし、源内先生は瀬川菊之丞と恋仲だったのよ



この時の花の井はカッコ良かったなあ
見せ場②:蔦重のためにいわくつきの「瀬川」を襲名
蔦重は鱗形屋に代わって、これまでの倍は売れるような「吉原細見」を作ると決意します。
蔦重は、江戸の男性達がどんな「吉原細見」を求めているかを調査し、人気の女郎だけではなく庶民でも遊べる女郎の情報を載せて欲しいという意見を耳にしました。
花の井(後の瀬川)もこの企画に協力できることはないかと知恵を振り絞ります。
名跡(歌舞伎や花魁などの代々継承される個人名)襲名の際には「吉原細見」がよく売れるため、花の井は蔦重のために瀬川の名を継ぐことを決めました。


こうして完成した吉原細見は、薄いながらもふところにスッとしまえるユーザーファースト感、かつ すべての女郎屋が掲載。
さらに「瀬川襲名」という特大ニュースも記載。
その上これまでの半額ということもあり、大ヒットしました。



べらぼうでは、四代目瀬川は自害したため不吉だとして20年近く空いていた名跡だったんだよ



そんないわくつきの名前、簡単な気持ちで襲名できないわよね。
蔦重への愛、恐るべし。
ちなみに小芝さんは、花の井から瀬川に変わる時に花魁道中の八の字歩きも少し印象が変わるような歩き方を意識したそうです。
下駄を引きずった跡が均一な八の字になっているのを確認できた時はとても嬉しかったそうです。
シンプルなシーンに見えて、たくさんの“技”が込められているシーンだったんですね。
ちなみに花魁の撮影シーン裏話に関しては、松の井を演じた久保田紗友さんのインタビューでも触れていますので、気になる方はぜひ⇩の記事も読んでいただけると嬉しいです。


見せ場③:蔦重と共に足抜け(吉原から逃亡)を決意⇨未遂に終わる
鳥山検校が瀬川を身請けするかもしれないという話を耳にした蔦重は、初めて瀬川を想う自分自身の気持ちに気付きます。
蔦重は以前瀬川に「身請けされた方がいいぜ〜」なんてデリカシーのない言葉を言っていましたが、「俺が瀬川を幸せにしたい」と懇願します。
蔦重は、年季明け(松葉屋との契約満了後)に瀬川を身請けすると約束し、その言葉を信じて、瀬川は蔦重のために検校からの身請け話を断って、過酷な女郎の労働に耐えていました。
その後 二人は松葉屋から嫌がらせのような説得を受け、二人は足抜け(吉原から逃亡)しようとしました。
ところがその直前に、瀬川は別の女郎が足抜けをしようとして失敗に終わり激しい折檻を受けるところを目の当たりにして、自らの足抜け計画を辞めたのです。




最終的に、瀬川は鳥山検校からの身請けを正式に受けたのでした。



他の花魁物語でおすすめの漫画はコレ⇩よ!
見せ場④:蔦重のために最後の花魁道中で吉原を盛り上げる
瀬川 最後の花魁道中が年の暮れに行われることになり、この催しに合わせて花魁達の錦絵本を作るよう命じられた蔦重。
蔦重は瀬川との別れに落ち込みつつも、瀬川のために何かできないかと考えます。
そうして錦絵本に瀬川が本を読む姿を入れたのです。
これに瀬川は涙が出るほど喜んだのでした。
吉原を旅立つ最後の夕暮れ、瀬川は美しい白無垢姿で豪華な花魁道中を披露し、江戸の人々を魅了しました。


それのおかげで、蔦重の作った錦絵本は飛ぶように売れたのでした。



どうやらこの衣装、布団ぐらいの重さがあるらしい。
それに加えて20センチ以上もありそうな高下駄を履いての撮影は、大変だったと思うわ!
ちなみにご本人曰く、ふくらはぎが筋肉痛でプルプルしてたそうですよ。笑
また、撮影はセット(室内)であったためとても暑いが、汗をかくと白粉が取れてしまうのでスタッフ総出で、扇風機の風を送ったり保冷剤を当てて汗対策していたそうです。
特に私がグッときたエピソードは、大河史に残る「おさらばえ」に関する小芝さんの次の言葉
町に向かって「おさらばえ」と頭を下げるところでも、最初は蔦重と目を合わせるはずでしたが、
出て行けなくなりそうで見られなかったですね。
(https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/blog/bl/pG3k57WNaG/bp/p2VRx0zEB2/ より)
これを読んだ時に、



どんだけ瀬川が憑依してんねん!!!
と思わず心の中で叫んでしまいました。
そこまでキャラに感情移入して役を生きていなければ、蔦重の目を見ることができないなどそんなことは思わないでしょう。
見せ場⑤:一度は吉原に戻るも、蔦重のために行方をくらます
結婚後も時々顔を合わせる機会があった瀬川(結婚後は瀬以)。
それに不信感を抱いた鳥山検校は、瀬川を蔦重との不義密通(夫のある女性が他の男性と通じること)で問い詰められてしまいました。
しかしその直後に、江戸幕府は、検校の悪徳極まりない高利貸し業をし検挙しました。
一時的に瀬川は釈放され、松葉屋預かりとなりました。
蔦重は早速 瀬川を尋ね、「一緒に本屋をやらないか」と瀬川を誘いました。
瀬川は現実味のない話だなあと思いながらも二人だけの時間に笑みがこぼれていました。
それも束の間、鳥山検校の悪徳高利貸し組織に恨みを持つ松崎という女郎が、瀬川を包丁で刺し殺そうとしたのです。
この襲撃により顔と手に怪我を負った瀬川は、自分が多くの人達に恨まれる存在であることを思い知らされ苦悩します。
しばらくして、検校と瀬川に裁きが下ります。
検校は裁きが下される直前に瀬川と離縁したいと申し出たため、瀬川は無罪放免となったのでした。
勘のいい瀬川は、この離縁は検校の思いやりだったことに気づき、深く感謝をしながら申し出を受け入れたのでした。
蔦重は自由の身になった瀬川と共に本屋を開くことを夢見て開店準備に奔走しましたが、ほどなくして瀬川は忽然と姿をくらましたのでした。
瀬川は、いわくつきの自分が蔦重が思い描く夢の邪魔になると感じ、蔦重のためにもこれ以上は一緒にいることができないと覚悟を決めて、江戸から姿を消すことにしたのでした。





蔦重のための行動多すぎだろ!
まとめ


いかがでしたか?
これは個人的に思うことですが、べらぼうを見ていると小芝さんは、綾瀬はるかさん級の大女優になるのではないかと感じました。(お二方とも事務所が違うのにすみません…苦笑)
花魁オフの時のあどけなさと、オンの時の美しさと華のオーラ、そしてそれを使い分ける技術。
なかなか努力だけでは身につかない、持って生まれた才能をお持ちなのではないかと思います。
今後のべらぼうに出てきてくれるかは分かりませんが、これからも応援しています!
また小芝さんにはぜひ、大河ドラマの主演になって再登場してほしいなと思っています!
べらぼうはアマゾンプライムでも見ることができます。
みんなで一緒にべらぼうを楽しみませんか?
気になる方は公式SNSもチェックしてみてください!
今後も、「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の情報や考察を発信していきますので、気になる方はぜひチェックしてくださると嬉しいです!
私たちは化政文化にインスパイアされた現代的音楽を制作しています。
ぜひ聞いてくださると嬉しいです。
本サイトでは、アフィリエイト広告を利用、またはプロモーション記事が含まれている場合があります