AIモデル自体を生成するAI⁈ 開発した【SakanaAI】はどんな会社?

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おーいぬ

親父どの、最近はいろんなAIが発表されているけど、「浮世絵」を描けるAIはまだないよね(安心)

ほくさいぬ

残念だが、もうすでに開発中だ

おーいぬ

なんだって?!
“日本の美”を理解できるAIなんて存在するわけが…

ほくさいぬ

なんてったって日本の企業が開発しているからな

おーいぬ

日本の企業が?!
AIって言ったら外国の企業のイメージが強かったからびっくりだね

ほくさいぬ

おーいぬは『SakanaAI』って聞いたことがあるかな?

おーいぬ

おさかなのAI?可愛い名前だね

ほくさいぬ

早速解説していくぜ!

目次

SakanaAIとは?

Sakana AI 株式会社
ほくさいぬ

まず、Sakana AIとは何か?解説しよう

おーいぬ

おねがいします!

サカナAI(Sakana AI)とは、東京にある2023年8月設立のAI企業です。

サカナAIの名前の由来は日本語の「魚」から来ており、魚の群れのようにそれぞれの能力は異なるものの、1つにすることで大きな存在となり機能するAIの技術を目標としています。

特にAIやデータ活用に積極的な金融業界にとって、Sakana AIは注目されています。

それゆえに三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など3メガバンクや第一生命などの日本企業10社がSakana AIに出資しています。

さらに米半導体大手エヌビディアからも資金調達し、創業からたったの1年で、投資総額は驚愕の300億円に達しました

おーいぬ

新進気鋭すぎる〜!
なんでこんなに注目されているの?

ほくさいぬ

Sakana AIが競合他社と決定的に違うのは、AIモデル自体を生成することだ。

おーいぬ

どういうことか想像もつかない…

ほくさいぬ

では、Sakana AIの特徴について詳しく解説していこう

Sakana AIの特徴

日本経済新聞より
ほくさいぬ

Sakana AIの主な特徴は3つだ。

①AIモデル自体を生成する革新的な技術
②高性能な日本語モデルの開発
③Google出身の研究者などが所属する優秀なスタッフ

おーいぬ

気になる特徴ばかり…(ワクワク)

①AIモデル自体を生成する革新的な技術

ほくさいぬ

まずはなんと言っても、その“革新的な技術”に注目が集まっている

おーいぬ

AIってだけでも革新的なのに、もっとすごいの?

ほくさいぬ

現在の一般的なAIは、ユーザーが大量のデータを学習させて、そのデータからパターンを見つけ出し、予測や分類を行うんだ。

それに、特定の仕事やジャンルに特化したAIモデルを開発することが一般的だ。

おーいぬ

確かに、たくさんの人がAIを使うことによってどんどん精度が上がっていっているよね

ほくさいぬ

それに対してSakana AIは、
既存のAIモデルを複数かけ合わせて、新しいモデルを自動的に生成する技術なんだ。

おーいぬ

AIを生物に例えるとしたら、優秀な遺伝子同士を掛け合わせて、子どもとなるモデルを作り、さらにその中から優れた性能をもつモデルを選別し再び掛け合わせて、より優秀なモデルを作っていくってことだね。

ほくさいぬ

そのとおり!

この作業によって、無数の組み合わせによる「競争」を勝ち抜いた優れたAIが生まれるみたいだよ。

おーいぬ

AIモデル同士のエリート競争を勝ち抜いた、スーパーモデルが誕生するんだね。

ほくさいぬ

Sakana AIが実際に行った実験では、1世代で最大100種を超すモデルをつくり、数百世代にわたって掛け合わせを繰り返したらしい。

おーいぬ

100種類を数百世代?!
それって、AIと言えどめちゃくちゃ時間かかりそう…

ほくさいぬ

それが…たったの1日でできちゃったんだ。

おーいぬ

はあ?!
数百人のスタッフがいるとか?
それなら不可能ではないかも…

ほくさいぬ

SakanaAIは、こうした組み合わせや選抜の工程に人間が介在することなく、AIが自律的に動作するアルゴリズム(計算手法)を用いているんだ。

簡単に言うと、仕事の指示すらもAIが自動化してやってくれるってことだね。

おーいぬ

AI恐るべし…
PCも何百台と稼働させるんだろうな…
人件費より光熱費の方がかかりそう…

ほくさいぬ

さらに、Sakana AIは電力問題も解決してしまう。

おーいぬ

?!

ほくさいぬ

現在のAI開発は、膨大な電力を消費してしまうという問題が起きているんだが、それを解決しうる可能性があるから、世界中から注目されているんだ。

指示すらも自動化されることにより、従来の方法よりも短時間かつ低コストでAIモデルの開発が可能で、多くの電力を消費する大量のコンピューターも不要なんだ。

おーいぬ

スゴい時代だな…

②高性能な日本語モデルの開発

おーいぬ

特に画像生成AIの分野は、プロンプトを英語で書くモデルも多いよね。

ほくさいぬ

それが、高性能な日本語モデルを開発している

おーいぬ

それが普及したら、もう学校で英語を学ぶ必要もなくなるかも…

ほくさいぬ

英語どころか、世界中の言語を学ぶ必要がなくなるかも。

おーいぬ

今以上に気軽に海外に行けちゃうね!

ほくさいぬ

例えば、アメリカのテック企業が自前の大規模言語モデルを開発する際、基本的に年単位の期間がかかっていた。

条件や方法が異なるため単純比較はできないが、Sakana AIの新たな手法が実用化されれば、従来通りの大量のデータを学習させて言語能力などを高めていた時間を、最大 数百分の1にできる可能性があるらしい。

おーいぬ

翻訳の仕事も一瞬でこなせちゃうね…

ほくさいぬ

この日本語モデルを開発するために、3つのAIモデルを開発した。

特徴活用例オープンソース化
① EvoLLM-JP数学に特化した日本語の大規模言語モデル・数学学習の支援・個別指導
・問題集作成・数学論文の執筆
② EvoVLM-JP日本語で対話できる画像言語モデル・学習教材・画像クイズ
・商品画像の説明文作成
③ EvoSDXL-JP日本語の高速画像生成モデル・イラスト作成・画像編集
・画像キャプション生成
GitHubで一般公開
ほくさいぬ

①EvoLLM-JP

①は、日本語のモデルと数学に特化しているモデルを組み合わせているよ。

数学に特化したモデルなので、数学記号や数式、数学特有の用語などを理解しており、様々な数学分野に対応している。

ちなみに、数学が関係しない通常の質問などにも自然に回答することが可能だ。

おーいぬ

計算のためのAIが進化してくれるのは嬉しいよね!(苦手分野)

ほくさいぬ

②EvoVLM-JP

EvoVLM-JPは、英語の画像言語モデルと日本語モデルを組み合わせているモデルだよ。

日本文化や習慣に関する知識を持っているのが特徴で、日本特有の画像(文化財など)の意味や歴史などの質問・事実確認や複雑な説明にも自然な表現で対応することができる。

またこれまで以上に、高精度かつ高速度で画像処理と日本語処理を行うことができるスグレモノ。

おーいぬ

子どもたちの学習教材や画像クイズなどのコンテンツ開発にピッタリだね!

ほくさいぬ

③EvoSDXL-JP

③は、高速な日本語の動画を生成するモデルだ。

日本語モデルと画像生成モデルを組み合わせて構築された。

日本語テキストを条件としたイラスト生成・画像編集・画像キャプション生成など…様々な分野に応用することができるモデルだ。

おーいぬ

可能性にあふれたモデルだね!

③Google出身の研究者などが所属する優秀なスタッフ

おーいぬ

これだけのAIモデルを作っちゃうなんて、スタッフはどんな人たちなんだろう…?

ほくさいぬ

共同創業者はそれぞれ輝かしい経歴の持ち主ばかり。

Google AIの元研究者で同社に12年間勤務していたスタッフや「Stable Diffusion」の開発に関わったスタッフ。

また、日本の外務省出身で、その後はフリマアプリのメルカリで執行役員を務めているスタッフも在籍している。

おーいぬ

なんて眩しすぎる経歴〜!!
スゴい日本人が集まってるんだね!

ほくさいぬ

いや、実は全員外国人。

おーいぬ

マジ?!!!
なんで日本で起業したの?!

ほくさいぬ

Sakana AIが、東京を拠点とする理由はいくつかある。

おーいぬ

寿司が好きだったとか?!
(Sakanaだから)

ほくさいぬ

まずは、東京が国際的な都市であること。

AI技術の研究や開発に適した環境がきちんと整っている。

おーいぬ

確かに、デジタルの普及からインフラまで整っている国って意外と少なかったりするよね。

ほくさいぬ

創業スタッフ達は世界中のAIの研究開発現場を見てきたが、そのほとんどは、アメリカ・サンフランシスコ周辺か、中国の北京にあるらしい。

しかし、AIという重要なテクノロジーが、少数の企業や政府によって支配されるのは世界にとって健全ではなく、望ましくないと思っているみたいだね。

おーいぬ

アメリカと中国の間に位置している日本は、まさにベストポジションだったんだろうな〜

ほくさいぬ

次に、高度な教育を受けた人材が多いこと

アメリカの大手IT企業の間では、人材獲得競争が激化しており、採用にかかる費用がとてつもなく高くなっているようだ。

そのため、北米での研究者獲得競争を避けることも多々あるとかないとか。

それに比べると日本のIT人材は優秀な人が多く、また人件費は決して高くはない。

むしろ国際的に過小評価されているとすら感じているので、優秀な人材と共にチャンスを掴みたいと思っているようだ。

おーいぬ

日本は、技術面だけではなく、芸術面においても創造的な人がいっぱいいるから、優秀でユニークなスタッフが見つかるといいね!

ほくさいぬ

そして何より、スタッフ達は日本が大好きらしい。

おーいぬ

それ聞くとめっちゃ安心する〜

まとめ

ほくさいぬ

最後に、Sakana AIの開発したAIについて、今一度まとめてみよう。

【Sakana AIはどこがスゴい?】

⭕️人間の手を使わずに最適なAIモデルを見つけることができる
⭕️異なった性質のAIモデルを組み合わせることができる
⭕️従来のAIモデルより高性能・ハイスピード・低価格でAIモデルを生成できる

おーいぬ

これからのSakana AIにも大注目だね!

ほくさいぬ

次回は、Sakana AIが開発した、浮世絵の画像生成AI『Evo-Ukiyoe』について解説していくぞ!

おーいぬ

楽しみだ〜!



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この記事を書いた人

化政文化研究家
某芸術大学 日本画専攻卒。日本人らしくありつつ、飾らないのに粋な江戸文化である『化政文化』に魅了され、その魅力を多くの人々に伝えたいと思ってブログを始めました。
普段はジャンルにこだわらず、インタビュー系の動画制作や、動画のテロップ入れなど、映像編集業務全般を担当しています。過去の動画制作数は1000本以上。

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