【大河べらぼう#1 感想/考察】炎上している問題のシーンについて【NHK大河ドラマ2025】

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大河べらぼうの第一話で炎上したシーンについて

※この考察は、NHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜」のネタバレを含みます。

第1話が放送された「べらぼう」。

しかし今回の放送の中で、物議を醸しているシーンがあり、一部炎上しています。

この記事では、

どのシーンが炎上したのか?

なぜ炎上してしまったのか?

そして、どうすれば炎上しなかったのか?

徹底的に考察していきたいと思います!

ほくさいぬ

あくまで個人的な考察です!

⇩⇩ちなみに、他にも大河べらぼうの感想・考察記事を書いていますので、興味のある方はぜひ読んでいただけると嬉しいです⇩⇩

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目次

べらぼう第1話のあらすじ

まだ1話を視聴されていない方に簡単に解説します!

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)

第1回「ありがた山の寒がらす」

明和の⼤⽕から1年半、蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)は、茶屋で働く傍ら貸本業を営んでいた。

ある日、幼なじみの花魁(おいらん)・花の井(小芝風花)から、朝顔(愛希れいか)に届けものを託される

しかし蔦重が、浄念河岸(じょうねんがし)の二文字屋を訪れると、ひどく衰弱した朝顔の姿があった…。

吉原の場末である河岸見世(かしみせ)の女郎たちの酷い惨状をみて、思い悩む蔦重。

そんな中、吉原で付け火の事件が起き、騒然となる…。(公式サイト)

もっと簡単にまとめると…

最近景気が悪い江戸。
吉原で働く主人公の蔦重は、子供の頃から慕っていた吉原の女郎・朝顔姐さんの死をきっかけに、貧困に喘ぐ吉原の女郎たちを救う決意をします。
そこで、普段小遣い稼ぎのためにやっている「貸本業」を江戸の一大ビジネスとして盛り上げようとしたのでした。

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炎上したシーン

おーいぬ

これまでの大河のイメージを覆したとてもポップな演出で楽しめたけど、なんで炎上してしまったの?

ほくさいぬ

実はあるシーンが問題になってしまったんだ。

ドラマの舞台となった、江戸・吉原遊廓は、豪華な着物をまとった遊女たちが妖艶な美しさを競い、客たちが贅沢なひとときを求めて集う、江戸文化の真髄が凝縮された街。

べらぼうでは、吉原遊郭の「光」と「影」を克明に描いています。

その華やかさの裏には、自由を奪われた遊女たちの涙や死、客たちが夢に溺れる中で抱える葛藤も垣間見えます。

吉原は、ただの娯楽の場ではなく、時代の欲望と美学、そして人間の儚さを映し出す鏡のような存在だったのです。

今回の問題は、その「影」を描いたシーンにありました。

蔦重(横浜流星さん)が慕っていた女郎・朝顔(愛希れいかさん)が、衰弱死して全裸で捨てられるも同然に埋められるシーン。

彼女は元々松葉屋の花魁でしたが、その時 身を寄せていたのは、河岸見世の「二文字屋」。

ここは最下層の女郎が集まる場所で、年季が明けても行き場がない、客がつかなくなった、病気になったなどの理由で、華やかな大通りでは働くことのできない女郎たちの最期の場所でした。

たった2畳ほどの部屋で破格の値段で客をとるという劣悪な環境で、なんとかその日をしのぎながら生きていました。

ほくさいぬ

大ヒット作品「鬼滅の刃」遊郭編で、妓夫太郎と堕姫の鬼兄妹が、人間だった頃に暮らしていたボロボロのお家があったのは、この河岸見世エリアだよ

おーいぬ

アニメ好きにはとっても分かりやすい例えだわ

遊女や遊郭関係者を弔ってきた浄閑寺に、病気などで命を落とした遊女たちは無縁仏として葬られました。

浄閑寺は「投込寺」とも呼ばれ、まるで投げ込むように葬られたことからそう呼ばれるようになったそうです。

ほくさいぬ

花又花酔の、「生まれては苦界、死しては浄閑寺」と詠まれた川柳も残っているよ

その演出があまりにもショッキングだったため、SNSでは炎上しているのです。

朝顔のでん部 部分を隠すように別の女郎の遺体があり、計4体の女性の全裸遺体が転がっているという衝撃的な映像が放送されたのです。

そしてもうひとつ話題となったのが、

朝顔以外の遺体役を演じたのは、AVモデルプロダクション「エイトマン」に所属する吉高寧々さん、藤かんなさん、与田りんさんの3人の人気セクシー女優だったことでした。

なぜ炎上してしまったのか?

ここまで読んで炎上の理由は、「女性の全裸遺体だし…」というのは、ある程度予想できるかと思います。

実際にネット上で、炎上の理由を調べてみると、以下のような声が目立ちました。

・全裸遺体役にセクシー女優を起用
朝顔役の愛希れいかさんは見せちゃダメな役で、セクシー女優なら見せてもいいのか?

・役者は全裸のまま7時間もぶっ通しで伏せられ、終盤では本当の遺体のように青白くなってしまっていた
役者の健康や人権的にいかがなものか?

・日曜夜8時のお茶の間で放送するドラマとしてどうなのか
子どもと見ていた人たちは焦るシーンだった?

おーいぬ

ざっくり聞くと、炎上しそうなポイントが多いね…

これらの炎上の声について、制作側に問題はなかったのか一つ一つ検証していきたいと思います。

全裸遺体役にセクシー女優を起用するのは問題か?

あるライターさんはこのシーンについて違和感を覚えたようです。

「4人の遺体のシーンでは、元宝塚歌劇団の愛希れいかさん演じる朝顔の臀部を隠すようにセクシー女優さんが折り重なって転がされていました。まるで愛希さんは“見せちゃいけない人”で、セクシー女優さんは“見せていい人”というような意図を感じてしまいました。その待遇の格差や、脱ぐ役としてセクシー女優を起用した意図にグロさを感じてしまいました」

個人的な意見では、セクシー女優であろうがなかろうが、役者本人と事務所がOKを出しているなら、問題ないのではないでしょうか?

あくまで、その役を断るか、断らないか、断らなければならないか、個人の選択が尊重される現場(=コンプライアンスが正しく機能している)という前提で考察させていただきますが、

元宝塚劇団員であろうが、セクシー女優であろうが「役を受ける」選択権は平等なはずです。

そして、その仕事を「やる」と決め、そしてやりきった役者魂に敬意を表すべきではないでしょうか?

もちろん、弱い立場である個人が、事務所や制作側から強要されているならそれは大問題だと思います。

もし、そうであった場合、役者さんは一刻も早く被害の声明を出すべきでしょう。

役者は全裸のまま7時間もぶっ通しで伏せられる状況は撮影環境に問題はなかったのか?

問題のシーンは約30秒ほどしかないのに、役者さんたちは7時間もぶっ通しで伏せていたそうです。

これだけ聞くと、「撮影環境に問題があったんじゃないか?」と思う人もいるでしょう。

実際に遺体役を演じた、大阪大学大学院卒で理系研究職からセクシー女優に転身した藤かんなさん本人に、撮影当日の様子を聞いた記事を読みました。

「撮影したのは昨年9月28日で、ロケ地は鎌倉の円覚寺でした。
朝4時に集合し、髪のセットや遺体に見えるように青白っぽいスプレーを全身に振りかけ、地べたに7時間ほど伏せていました。 
地面は冷たく、体温を奪われ、私も同じ事務所の吉高寧々さんも与田りんさんもどんどん顔が青白くなっていき、本当の遺体みたいな顔になっていました。」

7時間も裸で地べたに伏せるのは相当きつかったのではないかと問うと、
「50人くらいのスタッフの方が休憩なしに動く姿に本気を感じたし、きついというより皆さんが納得する絵が撮れることだけを考えていた」
と言う。

「ただ、水は飲ませていただいたのですが、スタッフさんたちが動き続ける姿を見ていると『おトイレに行きたい』とは言えず、後半の時間帯は少しだけトイレを我慢しました(笑)

おーいぬ

どうしてそこまで時間がかかってしまったの?

それは、インティマシー・コーディネーターの起用が大きな理由なのではないかと思います。

今回の現場では、NHK大河では初となる「インティマシー・コーディネーター(以後 IC)」が起用されたという発表がありました。

インティマシー・コーディネーターとは?

映画やドラマなどの作品で、ヌードシーンやセクシーシーンなど、親密な(インティマシー)シーンの撮影をサポートする専門家のことです。

昨今、ハラスメントやパワハラ問題が社会的に注目されるようになり、映画業界でも安全な働き方が求められるようになりました。

また、表現の多様化が進み、従来の性表現にとらわれない、より多様な表現が求められるようになったことに伴い、安全で尊重の念を持った撮影方法が求められています。

安全な撮影環境の確保、撮影現場でのサポート、俳優の権利保護、俳優の心理的な負担軽減、映画業界全体の信頼回復などを目的として、ICは俳優の安全と作品クオリティの向上に不可欠な存在となっています。

藤さんによると、撮影に入る1ヶ月前からICと打ち合わせを重ね、局部が見えないように前貼りの着用やバストにもシリコンブラをつけることなどの説明を受けたそうです。

現場では前貼りを3重くらいつけたり、シリコンブラの下にはバストトップシールまでつける厳重さだったそう。

カメラの切り替えなどの合間は5、6人のスタッフが集まりタオルで囲いを作ったり、肌見せを最小限にするための気遣いがなされたそうです。

この、たった数十秒のシーンに7時間もかかってしまったのは、NHK大河製作陣が、初めてICを起用したことによるものだったのではないか?と推測します。

何事も初めてやる時が一番時間がかかりますもんね。

藤さんの「おそらくスタッフの皆さんも、『裸の女優が現場にいる』という、これまで経験したことのない状況に困惑していて、かなりピリついている感じは見て取れました」

というインタビューからも現場の状況が想像できますね。

残念なことに、SNSなどで投稿されている多くの記事が、ICに関する部分が削られて「役者は全裸のまま7時間もぶっ通しで伏せられていた」部分だけが拡散されています。

多くの誤解を招く、悪質な拡散方法だと感じました。

日曜夜8時のお茶の間で放送するドラマとしてどうなのか

おーいぬ

私が母親だったら、ちょっと配慮が足りないって思っちゃう!

ほくさいぬ

でも、そもそも子どもは見てない説もあるしなあ…

ショッキングなシーンが含まれているにもかかわらず、なぜ日曜夜8時のお茶の間枠でGOサインが出たのか?

二つの理由を推測しました。

①一番視聴している層に向けて作った?

これは制作側からしたら当たり前のことですが、どんな作品でもターゲット層という目標を決めます。

年齢別視聴者グラフは公開されていませんが、おそらくは50代以上がメインで視聴していると思われます。

年齢的に知識や経験が豊富になると、少々ショッキングなシーンでも、現実にあったことを目を背けずに見ることができますよね。

むしろ、そういったノンフィクションの出来事こそ見て深めたい人もたくさんいるのではないでしょうか?

そのような特徴を持つ年齢層が大河ドラマのボリューム層だとしたら、このようなシーンを描いた理由も頷けます。

②視聴者を子ども扱いしなたくなかった?

メディアやコンテンツの大量生産・大量消費時代が到来して、膨大な数の作品が制作されていますよね。

その弊害か、制作側は最近、「わかりやすさ」を過剰に要求されるそうです。

詳しくは以下の岡田斗司夫さんのYoutubeチャンネルをご覧ください。

わかりやすいことはとても大切だが、その演出が行きすぎた時、幼稚な作品になってしまう。

という危惧を岡田さんが解説してくださっています。

ほくさいぬ

さすが令和のメディア王。
わかりやすい〜!

それをNHK制作側は現場で感じているのではないでしょうか?

だからこそ、

「我々の視聴者層はわかってくれるだろう。安直にわかりやすく子供扱いするような演出はやめて、吉原の闇の部分もしっかり描こう」

と言う想いで、少々ショッキングなシーンでもドラマに入れ込んだのではないかと推測しました。

どうすれば炎上しなかったのか?

簡潔に言っちゃいますが…

夜10時から放送すればよかったのでは?

夜8時はまだ子どもがテレビを見ている時間帯ですし、ぼんやりとテレビをつけっぱなしにしていて、いきなり女性の裸体が映ったら、小さいお子さんがいるご家庭はやはりドキッとすると思います。

これが夜10時スタートだったら一般的に大人向けの番組も増えますし、視聴者の印象も全く変わっていたと思うんです。

まあ放送枠は気軽に変えられるものでもないと思いますので、一視聴者としてのポッと出アイデアとして、大目に見ていただけると嬉しいです。

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ほくさいぬ

みんなはこの問題、どう思った?

おーいぬ

意見を聞かせてね!

今後も、「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の情報や考察を発信していきますので、気になる方はぜひチェックしてくださると嬉しいです!

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参考文献

今回は、非常にセンシティブな内容にも触れていますので、参考文献を以下に記載しておきます。

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