『浮世絵』の語源をさぐってみた

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今や日本が世界に誇る芸術作品「浮世絵」。

今日はその名「浮世絵」の語源をさぐっていこうと思います。

目次

江戸の大火事

浮世絵の始まりは明暦3年(1657)1月におきた江戸大火以降といわれています。

江戸の町のほとんどを焼き尽くしてしまった大火事。

復興していく江戸の町とともに、生まれ変わる流行を絵画化したのが浮世絵の始まりでした。

「浮世」の語源は「憂き世」

そもそも「浮世」の語源は「憂き世」という、超ネガティブワード。

仏教の概念から生まれた言葉で、「この世の苦しみに満ちたはかない世界」を指していました。

仏教では「無常」という考え方があり、浮世は「変わりやすく儚い現世」というニュアンスで使われていました。

江戸時代の前は戦国時代だったので、まさに「浮世」。

死が身近な時代→生きるのしんどい

それは「浮世」という言葉が生まれるのも納得ですね。

この世は儚い「憂き世」から、平和な時代の幕開けで「浮かれ世」に

そんな「浮世」は平和な江戸時代の幕開けによって意味が180度変化します。

戦争もなく、娯楽を享受できる幸せな時代に庶民文化が発展し、人々の心は「浮かれ」ました。

「浮世」はむしろ「現世を楽しむこと」や「今の時代を謳歌すること」を意味するようになります。

特に、遊郭や芝居、祭りなど、江戸の町人が楽しむ娯楽文化を象徴する言葉として使われました。

浮世絵は、そんな浮き世の風俗や流行りを表した絵というわけなのです。

なので、描かれた作品は木版画で大量に刷られ、「浮世絵版画」として町中で売られていました。

浮世絵は雑誌や新聞、テレビだけでなく、SNSやWebに置き換わるメディアの役割を果たしていました。

2025年の大河ドラマは、江戸の浮世絵プロデューサーであった蔦屋重三郎が主人公。

彼が主人公になった理由は、令和の時代との親和性が深いからなのではないかと思っています。

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この記事を書いた人

化政文化研究家
某芸術大学 日本画専攻卒。日本人らしくありつつ、飾らないのに粋な江戸文化である『化政文化』に魅了され、その魅力を多くの人々に伝えたいと思ってブログを始めました。
普段はジャンルにこだわらず、インタビュー系の動画制作や、動画のテロップ入れなど、映像編集業務全般を担当しています。過去の動画制作数は1000本以上。

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